2月にみた映画の話

今年のアカデミー賞も決まりましたね。『ノーカントリー』怖そうだけど観たい。
私が最近観て良かった映画のひとつは『パンズ・ラビリンス』
フランコ独裁政権時代を舞台にしたスペイン映画(監督はメキシコ出身)。濃い闇と光が美しい密度のある映像で、現実と幻想がうまく織り込まれたお話です。スペインの画家ゴヤの「わが子を食らうサトゥルヌス」を思わせる恐ろしさもありました。ラスト、幻想と現実どちらに自分の気持ちが残るかで見方が違うんじゃないかな...。私は現実側にいたのでとても辛い結末に感じました。こんな残酷なファンタジーは初めてかも。ショッキングな場面も結構あり、痛いのが苦手な私は手に汗ぐっしょり。。そこだけ薄目になってしまったことを含めてもズッシリと見応えがありました。ちなみにこの作品は昨年のアカデミー賞で撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞。来月に発売される豪華版DVDの特典も気になります。

もうひとつ衝撃だったのは『いのちの食べかた』というドキュメンタリー映画。
セリフも音楽もナレーションもなく、たんたんと"食べもの"が作られていく様が映し出されます。あまりにもたんたんと同じようなアングルで流れていく映像に、前半の植物系まではどうも眠気が。しかし動物系は、わかっていたものの、やはりショック。知らなかったところはさらにショックです。家に帰ってまず、猫のハチを抱きしめました。「おまえは食べないからね!」もうね、シュライヒのファームシリーズさえ見る目が変わりましたよ。相変わらずお肉は大好きですし、残さず食べることも変わりませんが。その後、買い物するときには色々考えて買うようになりました。無駄に消費しないように。

この映画を観て思い出した本があります。
小熊秀雄童話集の「ある夫婦牛の話」という爺さん牛と婆さん牛が太鼓の皮になるお話。屠殺場で頭を金槌でカーンと殴られ、ひっくり返る、真っ赤な衣装を着た婆さん牛...小さい頃にそんな童話を読んでもらって育った私ですが、今思うと母のナイスセレクトだったと思います。小熊秀雄の童話は大人にも子どもにもおすすめです。

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シュライヒの新しいホルスタイン牛も近々登場しますよ。

2008年2月26日 11:39 | ウレシカの気になるモノコト