ワイルドなノンフィクション2冊

週末、映画館からの帰りにさっそく本屋で原作本を探しました。ジョン・クラカワー著『荒野へ』まだ読み始めたところですが、映画にないエピソードも多く面白そう。
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』は、アラスカの荒野へひとり分け入り死んだ若者クリスの真実の物語。旅というキーワードに惹かれ詳細は知らず観にいったのですが、序盤、クリスの前に現れたヘラジカの群れ(カリブーかも?)の映像でガッツリ胸をつかまれてしまいました。"自然"という言葉では足りない気がする厳しく美しい大地!生き物!"完全なる自由"に身を投じたクリスの若さゆえの無謀さも羨ましく、家族の思いも含め、考え深い作品でした。監督ショーン・ペン、素晴らしい!音楽もgood

私個人の話、クリスとほぼ同世代、彼が旅の果てに亡くなった1992年に初めて海外一人旅をしました。旅の質や思いはまったく違うけれど私なりの冒険であり、それがあって今の自分があると思う。そこに在ることに疑問を持つこと、チャレンジすること、忘れないようにしたいです。

さて、もう一冊ご紹介したいのは、沢木耕太郎著『凍』世界的なクライマー山野井泰史が妻妙子とヒマラヤのギャチュンカンに挑む壮絶な闘いを描いたノンフィクションです。人間は自然界においてちっぽけだけれど、かくも強く在れるんだ、と感嘆。NHKスペシャル「夫婦で挑んだ 白夜の大岩壁」でも驚かされました。この山野井さんが去年奥多摩で熊に襲われたとニュースで知りましたが「生きてるだけでいい」といったような父親のコメントに納得。山野井通信には「生きている熊に触れられるなんて・・・感動」と書かれていました。すごい境地です。

2009年1月19日 | ウレシカの気になるモノコト