ショコネ絵本20選(その3)

「だるまちゃんとてんぐちゃん」
作・絵:かこ さとし/出版社:福音館書店

だるまとてんぐの組み合わせからしてもう不思議。だるまも天狗も今時の子にはなじみが薄いだろう、と思いますが、子どもは違和感はもたないようで、スルッと物語の中に入ってきます。「大好きな友達と同じものが欲しい!」そんなだるまちゃんがかわいい男の子にみえてきます。わたしの一押しは、てんぐちゃんのようになりたくて、おわんをかぶっただるまちゃんご満悦の顔。次点は、鼻と花を勘違いしたお父さんに怒っている、さすがだるま一族!のだるまちゃん貫禄の顔。クスッとする見どころ満載です。大きな事件が起こる訳ではないけれど、ほのぼの心に残る絵本です。


「ダンプえんちょう やっつけた」
作:ふるた たるひ 絵:たばた せいいち/出版社:童心社

んー懐かしい。わたしも小学校入学前、近所の友達と毎日のようにこんなことして遊んでいました。子どもがワクワクしない訳ありません。子どもたちにかかれば、はらっぱは海だし、ほらあなは海賊の秘密基地、リヤカーなんて立派な船。悪い海賊と正義の味方の戦い、血沸き肉躍りますね。笑)息子が入学前に夢中になって読んでいました。特別な一日じゃないけど、子どもの毎日はこんなにもドラマチックなんですよね。それをこの本で思い出しました。


「だってだってのおばあさん」
作・絵:さの ようこ/出版社:フレーベル館

おばあさんの99歳のお誕生日。ねこはケーキにのせるろうそくを買いに行きましたが、袋の底が抜けていて5本しか残っていませんでした。5本でもないよりまし、と5本のろうそくをケーキに立てて、「5さいのおたんじょうびおめでとう」とお祝します。ここからのおばあさんがとっても素敵。今まで98歳だもの...としなかった事を、「あら?わたし5さいだったわ!」と次々挑戦していきます。愉快爽快。5歳の喜びがぐぐぐっと胸に広がってきます。わたしも絵本を介して、5歳を迎える頃の息子とその喜びを共有しました。ラストのねこのセリフがまたかわいくて、わたしの大好きな絵本です。


「きつねのおきゃくさま」
作:あまん きみこ 絵:二俣 英五郎/出版社:サンリード

はじめて読んだ後、涙があふれてきて、じわんと心の中にしみわたるものがありました。自分を犠牲にしても守りたいもの、自分より大切なものってなんだろう。そういうものがあるってどういう気持ちだろう。これは絶対こどもに読んでやりたい、そう思いましたが、実はまだ読めていません。どうしても泣いてしまって最後まで読めないんです。我が家はどうも泣いちゃう本は苦手で、いつの間にか子どもたちが大きくなってそれぞれに読んでいます。それもまた良いかなと...絵本って、楽しいのも悲しいのも考えちゃうのもあって、大勢で読んだりふたりで読んだりひとりで読んだり、いいなぁと思います。子どもにもおとなにもお勧めの絵本です。


「11ぴきのねこ ふくろのなか」
作・絵:馬場 のぼる/出版社:こぐま社

「11ぴきのねこ」シリーズで6冊もでています。初めて読んだのは5、6歳の頃だったかと思います。ねこたちは、みんな勝手気ままです。言う事は聞かないし、やる事も結構ずるい。教訓なんてどこ吹く風。でも、いざという時には一致団結、そしてなんだかんだと、人情味あふれる憎めないねこたちなんです。とにかく楽しくて、テンポが良くてスルッと読めます。大きくなっても読んでと本棚から持ってきます。長く楽しめる絵本だと思います。小学校の読み聞かせでも人気です。


ショコネ絵本20選、あと5冊はまた明日。「きつねのおきゃくさま」私は今回初めて読みましたが、お話の最後に「え!...」泣きそうになりました。お盆で帰省されている方は地元の本屋さんででもチェックしてみてくださいね。

「こども と ほん」Shocone 個展 (URESICA shop&gallery)
明日、8月15日(月)まで 12:00〜19:00

2011年8月14日 | おすすめ書籍・絵本